都林泉名勝図会

 江戸後期の京都名園案内。秋里籬島あきざとりとう(籬島軒)著。1799年(寛政11)刊。
 全五巻だが、第一巻をけんこんの二冊に分けているので六冊本。京都の庭園や茶亭などを142の写生図によって紹介し、それに説明文を付す。
 木版画の画工名として佐久間草偃さくまそうえん、西村梅渓ばいけい奥文鳴おくぶんめいの3名をあげる。奥付には「寛政十一己未歳」の発行年と、六角通ろっかくどおり御幸町西入の地名、版元小川多左衛門の名がある。本書は当時のいわゆるベストセラーであり、版を重ねたため、文字の不鮮明なものも多い。現在も残っている京都の庭園などの比較・研究などに、今日でも有益な書である。

参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』

第一巻 乾・坤

第二巻・第三巻

第四巻・第五巻